函館市の安全と気候
2026年8月15日 時点の情報です
CHAPTER 05その土地は、安全か
函館で確かめるべきことは、はっきり2つです。ひとつは津波。市の海沿いは津波災害警戒区域に指定されていて、この区域の物件は宅地建物取引業法にもとづく重要事項説明の対象になります。もうひとつは火事の記憶。1934年の函館大火は、日本の火災史でも最大級の被害を出しました。
国の地震対策区域に入っているか
国は、大きな地震ごとに「対策を進める地域」を法律で指定しています。指定されているかどうかは、その市町村で想定されている揺れと津波の大きさを国がどう見ているかを、そのまま表しています。
| 南海トラフ地震防災対策推進地域 | 対象外(北海道全体が制度の対象外) |
|---|---|
| 首都直下地震緊急対策区域 | 対象外(北海道全体が制度の対象外) |
| 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域 | 🔴 指定あり |
| 30年間に震度6弱以上の揺れ | 4.8%(震度6強以上は0.4%) 函館市役所の地点。表層地盤はAVS30 260m/s・砂州・砂礫州 |
J-SHISで番地を見る → 指定の有無は内閣府の指定市町村一覧(南海トラフ地震防災対策推進地域/首都直下地震緊急対策区域/日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域)/確率と表層地盤は防災科学技術研究所 J-SHIS 地震ハザード情報提供API(2024年版・平均ケース・全ての地震)を市役所の座標で照会した値/確認日 2026-08-16
津波 — 海沿いは「津波災害警戒区域」に指定されています
北海道は、国が令和2年4月に公表した「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル」をもとに津波シミュレーションを行い、令和3年7月に新しい浸水想定を設定。そのうえで令和4年2月18日付けで「津波災害警戒区域」に指定しました。 市はこの区域について、こう説明しています——「建築物の建築や開発行為の制限はありませんが、宅地建物取引業法に基づく重要事項説明が必要となります」。つまりその土地が区域に入っていれば、不動産会社は契約前に必ず説明する義務があります。説明を待つのではなく、気に入った家が出た時点で、自分でハザードマップを開いてください。
そのうえで、いちばん近い津波避難場所まで、実際に歩いてみてください。市は「津波対応の緊急避難所一覧」を公開しています。市の呼びかけは「海岸から離れながら避難場所へ避難する」「原則として車での避難はしない」——つまり歩いて上がれる距離かどうかが、家を選ぶ基準になります。 出典:函館市「津波対策について」(2026年7月27日更新)/函館市「津波ハザードマップについて」/確認日 2026-08-15
1934年3月21日、函館大火 — 市の3分の1が焼けました
函館市消防本部が、当時の記録をそのまま公開しています。数字はすべて市の資料の値です。
| 項目 | 函館市消防本部の記録 |
|---|---|
| 発火 | 昭和9年3月21日 午後6時53分頃・住吉町91番地。原因は「旋風の為火元木造2階建の屋根飛び炉火より発火す」 |
| 風 | 瞬間最高南南西39m/s(推定) |
| 鎮火 | 翌3月22日 午前6時(延焼なきに至る) |
| 死者 | 2,166人(焼死748人・溺死917人・凍死217人・窒息死143人・その他29人・収容後死亡112人) |
| 負傷者 | 重傷2,318人・軽傷7,167人 |
| 焼失 | 11,105棟・22,667世帯/全焼町22・半焼町18/面積416.39ヘクタール |
| 罹災人口 | 約102,001人(弁天方面10,000人・亀田方面50,000人・五稜郭公園方面40,000人・大森方面10,000人・湯川方面35,000人へ避難) |
死因のいちばん多いのが「溺死917人」です。火に追われた人が海と川へ逃げ、そこで亡くなりました。記録には火元から4,675mまで飛び火したことも残っています。 この火事のあと、函館は広い道路と防火帯をつくり直しました。いま西部地区や中心部を歩くと道が広いのは、この火事の結果です。そして市が「景観形成住宅等建築奨励金」で歴史的な景観に配慮した建物を支援しているのも、焼けたあとに建て直された町並みを守るためです(§14)。
函館大火(函館市消防本部)→ 出典:函館市消防本部「函館大火」(函館大火概要・参考諸統計/2026年2月25日更新)/確認日 2026-08-15函館は災害のリスクが高いですか?
確かめるべきことは2つです。市の海沿いは津波災害警戒区域に指定されていて、この区域の物件は宅地建物取引業法にもとづく重要事項説明の対象になります。もうひとつは1934年の函館大火の記憶で、市は日本海溝・千島海溝の対策区域にも指定されています。
CHAPTER 06夏と冬は、どうなるのか
函館の夏は、涼しい。8月の日最高が25.9℃で、猛暑日も熱帯夜も平年で年0日です。東京の猛暑日4.8日・熱帯夜17.8日とは別世界。そのかわり冬は、朝の氷点下が年121日——4か月ぶんです。雪は年間の降雪の合計306cm・最深積雪45cmで、北海道のなかでは少ないほうにあたります。
12か月の気温を、そのまま並べます
帯の左端がその月の日最低気温の平均、右端が日最高気温の平均です(函館・1991〜2020年の30年平均)。
夏の夜と冬の朝が、東京と比べてどうなるかの数字です
| 年間の日数 | 函館 | 東京 |
|---|---|---|
| 熱帯夜 最低25℃以上 | 0.0日 | 17.8日 |
| 猛暑日 最高35℃以上 | 0.0日 | 4.8日 |
| 真夏日 最高30℃以上 | 4.1日 | 52.1日 |
| 冬日 最低0℃未満 | 121.0日 | 15.2日 |
| 真冬日 最高0℃未満 | 28.0日 | 0.0日 |
雪は、年間の降雪の合計が306cm、最深積雪の平年値が45cmです。
出典:気象庁 函館 の平年値(月別)/同 日数の階級別(view=a2)/同 東京(いずれも1991〜2020年の30年平均)/確認日 2026-08-14猛暑日ゼロ・熱帯夜ゼロ。そのかわり冬日が121日
| 年間の日数・量 | 函館 (市街地) | 川汲 (南茅部) | 東京 |
|---|---|---|---|
| 猛暑日 最高35℃以上 | 0.0日 | 0.0日 | 4.8日 |
| 熱帯夜 最低25℃以上 | 0.0日 | 0.0日 | 17.8日 |
| 真夏日 最高30℃以上 | 4.1日 | 1.0日 | 52.1日 |
| 冬日 最低0℃未満 | 121.0日 | 120.4日 | 15.2日 |
| 真冬日 最高0℃未満 | 28.0日 | 30.2日 | 0.0日 |
| 降雪の合計 | 306cm | — | 8cm |
| 最深積雪 平年値 | 45cm | — | 6cm |
夏に冷房が要らない土地です。8月の日最高は函館で25.9℃、南茅部の川汲では24.0℃。市が「8月の平均気温は24.9℃と東京の6月並み」と紹介しているとおりです(2025年の実測値)。 冬は、家の断熱と暖房費が生活費の中心になります。冬日が年121日、日中も氷点下という真冬日が年28日。中古の家を見るときは、窓が二重(ペアガラス)か、暖房が何か、灯油タンクがどこにあるかを必ず確かめてください。市の住宅リフォーム補助金(バリアフリー・省エネ改修)は、この省エネ改修に使えます(§14)。 雪は、北海道のなかでは少ないほうです。市も「海洋性気候のおかげで、北海道としては降雪量が少なく比較的穏やかな気候」と書いています。ただし西部の坂と東山手の丘では、平地と同じ雪でも生活の手間が変わります。坂の上の家を見るなら、雪の日にもう一度行ってみるのがいちばん確かです。
函館の夏は涼しいですか?冬はどれくらい寒いですか?
8月の日最高は25.9℃で、猛暑日も熱帯夜も平年で年0日です(東京は猛暑日4.8日・熱帯夜17.8日)。そのかわり朝の氷点下が年121日あり、年間の降雪は306cm・最深積雪45cmと北海道では少ないほうです。
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