熱海市の安全と気候
2026年8月12日 時点の情報です
CHAPTER 05その土地は、安全か
熱海を検討するなら、ここが最も重要です。2021年に何が起きたのかを、県の報告書で確認します。
国の地震対策区域に入っているか
国は、大きな地震ごとに「対策を進める地域」を法律で指定しています。指定されているかどうかは、その市町村で想定されている揺れと津波の大きさを国がどう見ているかを、そのまま表しています。
| 南海トラフ地震防災対策推進地域 | 🔴 指定あり |
|---|---|
| 首都直下地震緊急対策区域 | 🔴 指定あり |
| 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域 | 対象外(静岡県全体が制度の対象外) |
| 30年間に震度6弱以上の揺れ | 41.3%(震度6強以上は6.9%) 熱海市役所の地点。表層地盤はAVS30 406m/s・火山性丘陵 |
J-SHISで番地を見る → 指定の有無は内閣府の指定市町村一覧(南海トラフ地震防災対策推進地域/首都直下地震緊急対策区域/日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域)/確率と表層地盤は防災科学技術研究所 J-SHIS 地震ハザード情報提供API(2024年版・平均ケース・全ての地震)を市役所の座標で照会した値/確認日 2026-08-13
2021年7月3日 伊豆山(逢初川)の土石流
| 起点 | 標高約390mの地点(国交省)/標高350〜400m付近を起点(静岡県) |
|---|---|
| 到達範囲 | 東海道新幹線・東海道本線のガード下を抜け、国道135号を越えて海岸の伊豆山港まで到達。住宅街での氾濫幅は最大100m程度、流下痕跡高は局所的に渓床から20m |
| 波の数 | 10時28分の第1波から13時47分以降の第7波まで、少なくとも7波 |
出典:静岡県 逢初川土石流 発生原因調査報告書 第8章(PDF)/総務省消防庁 検討会資料(PDF)/国土交通省 砂防部 資料(PDF)/確認日 2026-08-12
原因は「盛土」だった — そして届出は出ていた
| 2007年4月 | 逢初川源頭部について、熱海市へ土の採取等計画届出書が提出された(静岡県土採取等規制条例) |
|---|---|
| その後 | 届出内容とは異なる土砂の搬入・盛り土の造成が行われた |
| 2002〜2005年 | 空中写真で、鳴沢川の自然流路が埋め立てられたことを確認 |
| 2012年時点 | 主な盛り土が完了。逢初川・鳴沢川ともに厚いところで10mを超える盛り土(1967年との地形比較) |
| 施工の実態 | 「上部から土砂を谷に落とし込むだけの状態でぐちゃぐちゃ」「転圧は重機で踏んだ程度で締固め管理をしていたとは言えない」「持ち込まれた土砂の受け入れを拒否したことはなく多様な土砂で盛り土が形成」(施工関係者ヒアリング) |
|---|---|
| 中から出たもの | 崩落地内に瓦礫、県外自治体指定の家庭用ゴミ袋、電柱、立木が立ったまま埋められていた。ボーリングでも木片・プラスチック片・レンガ片が混入 |
| 排水 | 2012年には沈砂池がなく、木製の縦排水路も壊れていた。「全体がぐしゃぐしゃであり、排水不良であった」 |
| 崩れ方 | 崩落地内に82箇所の湧水点(約70%が左岸側)。地下水が盛り土底部に供給され間隙水圧が上昇、吸水軟化現象ですべり面が形成され、盛り土のほぼ全体が崩落 |
いまの規制 — 市域の全部が許可制になりました
| 根拠法 | 宅地造成等規制法を抜本改正した盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法) |
|---|---|
| 熱海市の指定 | 令和7年5月26日以降、熱海市の全域が「宅地造成等工事規制区域」(それ以前は市域の約70%) |
| 許可権者 | 従来の熱海市長から静岡県知事の許可へ。窓口は熱海土木事務所 用地管理課 |
津波 — 効くのは南海トラフではなく相模トラフ
| 想定地震 | 熱海市(初島除く)最大 | 初島 最大 |
|---|---|---|
| 大正型関東地震(L1) | 7m | 8m |
| 元禄型関東地震(L2) | 8m | 9m |
| 相模トラフ 最大クラス | 14m | 18m |
| 南海トラフ巨大地震(第4次想定) | 9m | 5m |
火山
伊豆東部火山群は、気象庁の常時観測火山です(24時間監視の対象)。熱海市の防災ガイドブックには火山編があります。
出典:国土交通省「日本の活火山一覧」(PDF)/気象庁 伊豆東部火山群/確認日 2026-08-12
気になる物件が出たら、この5つを開く
-
重ねるハザードマップ国土交通省
住所を入れると、土砂災害・津波・洪水を1つの地図に重ねて表示します。まずここ。
開く → -
熱海市 防災ガイドブック熱海市・2025年12月作成
土砂災害編・津波編・火山編に分かれています。津波編には最短到達3分と書かれています。
開く → 土砂災害編PDF → 津波編PDF → -
土砂災害(特別)警戒区域の指定状況静岡県
熱海市内の指定箇所が一覧になっています。県自身が「不動産取引の資料とするなど正確な資料が必要な場合は、熱海市役所・熱海土木事務所・静岡県庁砂防課で確認を」と書いています。
開く(PDF)→ -
地理院地図 — 治水地形分類図・空中写真国土地理院
逢初川の盛土は2002〜2012年の空中写真で造成の進行が読み取れました。同じことが自分でもできます。検討中の土地の過去の写真と現在を見比べ、谷や沢が埋められていないかを確かめてください。
熱海周辺を開く → -
売主・仲介業者に、口頭で聞く現地確認
「この土地は盛土か切土か」「擁壁はいつ誰が造ったか、検査済証はあるか」「上の斜面の所有者は誰か」。地図に出ないことは、ここでしか分かりません。
熱海は災害のリスクが高いですか?
南海トラフと首都直下の両方に指定されており、30年間に震度6弱以上の揺れは41.3%(6強以上は6.9%)です。2021年には伊豆山で土石流が起きており、熱海を検討するならこの章がいちばん重要です。
CHAPTER 06夏と冬は、どうなるのか
12か月の気温を、そのまま並べます
帯の左端がその月の日最低気温の平均、右端が日最高気温の平均です(熱海(網代)・1991〜2020年の30年平均)。
夏の夜と冬の朝が、東京と比べてどうなるかの数字です
| 年間の日数 | 熱海(網代) | 東京 |
|---|---|---|
| 熱帯夜 最低25℃以上 | 16.5日 | 17.8日 |
| 猛暑日 最高35℃以上 | 1.8日 | 4.8日 |
| 真夏日 最高30℃以上 | 39.0日 | 52.1日 |
| 冬日 最低0℃未満 | 1.6日 | 15.2日 |
| 真冬日 最高0℃未満 | 0.0日 | 0.0日 |
雪は、年間の降雪の合計が1cm、最深積雪の平年値が0cmです。
出典:気象庁 網代 の平年値(月別)/同 日数の階級別(view=a2)/同 東京(いずれも1991〜2020年の30年平均)/確認日 2026-08-14熱海の冬は寒いですか?夏は過ごしやすいですか?
網代(標高66.9m)で1月の日最低3.9℃と、東京(1.2℃)より暖かい冬です。いっぽう8月は最高30.2℃・最低23.8℃で、夏の夜は下がりません。
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