長野の安全と気候
2026年9月10日 時点の情報です
CHAPTER 05その土地は、安全か
長野市を見るときは、地震より先に「水」を見るまちです。令和元年(2019年)10月13日、千曲川の堤防が穂保地先(長沼地区)で約70メートルにわたり決壊しました。市の災害記録誌によれば、死者15人(うち災害関連死13人)、住家被害4,296件、浸水面積約1,541ヘクタール、長野市の被害額1,108億9,000万円。いっぽう地震は、市役所の地点で30年間に震度6弱以上が6.1%(震度6強以上は0.8%)——同じ週に本サイトが公開した川越市の45.4%と比べると低い水準です。ただし1847年の善光寺地震では震度7が記録されています。
国の地震対策区域に入っているか
国は、大きな地震ごとに「対策を進める地域」を法律で指定しています。指定されているかどうかは、その市町村で想定されている揺れと津波の大きさを国がどう見ているかを、そのまま表しています。
| 南海トラフ地震防災対策推進地域 | 指定なし |
|---|---|
| 首都直下地震緊急対策区域 | 指定なし |
| 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域 | 対象外(長野県全体が制度の対象外) |
| 30年間に震度6弱以上の揺れ | 6.1%(震度6強以上は0.8%) 長野市役所の地点。表層地盤はAVS30 381m/s・扇状地 |
J-SHISで番地を見る → 指定の有無は内閣府の指定市町村一覧(南海トラフ地震防災対策推進地域/首都直下地震緊急対策区域/日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域)/確率と表層地盤は防災科学技術研究所 J-SHIS 地震ハザード情報提供API(2024年版・平均ケース・全ての地震)を市役所の座標で照会した値/確認日 2026-09-10
| 地図・記録 | 何が載っているか |
|---|---|
| 令和元年東日本台風の記録 | 市は「令和元年東日本台風 長野市災害記録誌」を全5章+資料編でPDF公開しています。住家被害の地区別内訳は、篠ノ井1,531件・豊野1,041件・長沼939件・松代573件・古里182件・若穂30件。全壊1,038件のうち、長沼561件・豊野477件でほぼすべて。床上浸水は3,216件、床下浸水1,065件。市は「令和元年東日本台風災害対応検証報告書」も別に公開しています。信州大学・長野県・市が作った「猪の満水 デジタルアーカイブ」には、写真・動画・体験談・子どもがつくる防災マップが集められています。 |
| 洪水ハザードマップ | 令和5年8月版。市内を14の図郭に分けたPDFと、情報面(表・裏)、河川ごとの想定最大規模降雨の一覧が公開されています。図郭は「北部1(豊野・長沼・若槻1・古里1・朝陽1・柳原1)」のように地区名で分かれており、自分の地区の1枚だけを開けます。市の行政地図情報(GIS)で住所を入れて見ることもできます。英語版(View the Flood Hazard Map)も同じページに置かれています。市は「大雨によって側溝や小河川の水が溢れるなどの内水氾濫については考慮しておりません」とも書き添えています。 |
| そのほかの地図 | 市のハザードマップは、洪水・土砂災害・ため池・内水(北八幡排水区)・山地災害危険地区の5種類。土砂災害ハザードマップは「行政地図情報土砂災害・洪水ハザードマップ検索マニュアル」つきで公開されています。中山間の7管内や、北部の山際を考えるなら、まず土砂災害の地図を開く順番になります(§2)。市は防災情報ポータルサイト(nagano-bousai.jp)を別に持っています。 |
| 過去の地震 | 市は「長野市の過去の主な地震災害」として3つを記録しています。善光寺地震(弘化4年3月24日=1847年5月8日22時ごろ・長野市直下・M7.4・震度7)は「犀川右岸の岩倉山(虚空蔵山)が崩壊して犀川を堰止め、数十村が水没、4月13日に決壊し、大洪水となる。死者約8,600、潰れた家屋29,633、焼失家屋3,300」。長沼地震(昭和16年7月15日・M6.2・震度6)は死者5・全壊家屋29。松代群発地震(昭和40年8月3日〜・最大M5.4・震度5が9回、震度4が50回)は「一部損壊家屋8,620、地すべり64箇所」「皆神山は、1m隆起した」と書かれています。 |
| いま進んでいること | 市は「信濃川水系(千曲川)緊急治水対策プロジェクト」のページを置き、国土交通省北陸地方整備局千曲川河川事務所の進捗状況へリンクしています。復旧・復興の区画には「長野市災害復興計画」「復旧・復興方針」「災害復興本部会議」「長野市復興だより」が並びます。そして市は、公費解体後の空き地に住宅を建てて長沼・豊野へ移り住む人に1件100万円の「被災地区移住補助金」を出しています——そのページに「対象の空き地は、令和元年東日本台風で浸水し(半壊以上)、公費解体をした場所であり、浸水想定区域となっているため、日頃から災害に備えておきましょう」と市自身が書いています(§14)。 |
災害の心配はありますか?
🔴 令和元年(2019年)10月13日、千曲川の堤防が穂保地先(長沼地区)で約70メートルにわたり決壊しました。市の災害記録誌によれば、死者15人(うち災害関連死13人)、住家被害4,296件(全壊1,038件)、浸水面積約1,541ヘクタール、長野市の被害額1,108億9,000万円。地震は市役所の地点で30年間に震度6弱以上が6.1%(6強以上0.8%)ですが、1847年の善光寺地震では震度7が記録され、死者約8,600とされています。
CHAPTER 06夏と冬は、どうなるのか
長野の夏は「昼の暑さは東京とほぼ同じ、夜だけが違う」です。8月の日最高気温の平年値は長野31.1℃・東京31.3℃。ところが熱帯夜は長野1.1日に対して東京17.8日。冬は逆で、最低気温が0℃を下回る「冬日」が長野102.6日・東京15.2日。年間降水量は965.1ミリメートルで、東京の1,598.2ミリメートルの6割。降雪の合計は1年に163センチメートル、最深積雪の平年値は33センチメートル——雪は降りますが、松本の76センチメートルの2倍あまりという位置づけです。
| 項目 | 長野 | 中身 |
|---|---|---|
| 夏 | 熱帯夜1.1日 猛暑日5.1日 | 夜間の最低気温が25℃以上になる「熱帯夜」は平年値で1.1日——東京の17.8日、同じ週に本サイトが公開した広島市の33.2日と比べると、ひと桁ちがいます。35℃以上の「猛暑日」は5.1日、30℃以上の「真夏日」は47.6日、25℃以上の「夏日」は110.5日。8月の平年値は平均25.4℃・日最高31.1℃・日最低21.5℃。昼はしっかり暑く、夜に下がる——盆地の内陸らしい夏です。 |
| 冬 | 冬日102.6日 真冬日5.2日 | 最低気温が0℃未満の「冬日」が102.6日——1年の3割弱です。最高気温が0℃未満の「真冬日」は5.2日。1月の平年値は平均−0.4℃・日最高3.8℃・日最低−3.9℃、2月は平均0.4℃。12月から3月まで、朝が氷点下になる日が続きます。水道管の凍結対策と、断熱・暖房の見立ては、家を選ぶときに先に考えておきたいところです。 |
| 雪 | 降雪163cm 最深33cm | 1年の降雪の合計は163センチメートル、最深積雪の平年値は33センチメートル(長野地方気象台・1991〜2020年)。本サイトの他エリアと並べると、米沢市711センチメートル、八戸市134センチメートル、松本76センチメートル、東京8センチメートル。「雪国」と「平地」の中間にあたります。ただしこれは市の中心部にある長野地方気象台の値で、標高768メートルの中山間(戸隠・鬼無里)はこれよりずっと多いことに注意が要ります(§2)。 |
| 雨 | 年965mm 7月が最多 | 年間965.1ミリメートル。月別では7月137.7・9月125.5・8月111.8・6月106.1・10月100.3ミリメートル。いちばん少ないのは11月の44.4、次いで2月の49.1、12月の49.4ミリメートル。東京の1,598.2ミリメートルの6割、同じ週に公開した広島市の1,572.2ミリメートルの6割——雨そのものは少ないまちです。ただし令和元年東日本台風のように、大河川の上流に降った雨が下流を襲う形の災害があります(§5)。 |
| 観測所のこと | 長野 47610 | このページは、長野市内にある気象官署「長野」(気象庁の観測所番号47610)の平年値(1991〜2020年)を使っています。市内に気象官署があるので、他の市の値を借りていません。年平均気温12.3℃・年平均の日最高17.8℃・日最低7.9℃。比較に使った東京は44/47662、松本は48/47618、上田は48/0402です。 |
雪や寒さはどうですか?
1年の降雪の合計は163センチメートル、最深積雪の平年値は33センチメートル(長野地方気象台・1991〜2020年)。最低気温が0℃を下回る「冬日」は102.6日、最高気温が0℃を下回る「真冬日」は5.2日。1月の平年値は平均−0.4℃・日最高3.8℃・日最低−3.9℃。米沢市711センチメートル・松本76センチメートル・東京8センチメートルと並べると、「雪国」と「平地」の中間にあたります。
夏は暑いですか?
8月の日最高気温の平年値は31.1℃で、東京の31.3℃とほぼ同じです。🔴 違うのは夜で、熱帯夜は長野1.1日に対して東京17.8日。猛暑日は5.1日、真夏日47.6日、夏日110.5日。年間降水量は965.1ミリメートルで、東京の1,598.2ミリメートルの6割——昼はしっかり暑く、夜に下がる盆地の夏です。
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